ロレックス
この地はメガネフレームの産地として有名だが、1980年代に当時の市長がパンダと引き換えにメガネ作りの技術提供を行い、そのせいで中国の加工技術が上がり市場に安くてある程度の品質を維持したメガネが流通。鯖江市内のメガネ屋がバンバン潰れる事態にまで発展した。
しかも、送られてきたのはパンダではなくレッサーパンダ。現在もこのレッサーパンダは西山公園内の動物園にて順調に繁殖している。動物に罪は無い。
その西山公園から福井市へ向かう旧国道8号線を走っていると、古めかしい書体で「喫茶ロレックス」と書かれた茶色い看板が目に入る事だろう。
旧8を抜けて細い路地に入り山へ入る。本当にあるのか不安になる頃合いに、平成時代の遺跡みたいな建物が現れる。(実際は35年前に建てられたから昭和後期。)
わたせせいぞうの漫画に出てきそうな昔の洋風建築物?のような雰囲気だが、壁面のひび割れや看板の褪せた感じが重ねた何月の長さとかつての繁栄を静かに語っているようで、この儚い見た目にしばらく見惚れていた。
中身も思った通りのクラシックスタイル。かつてのラグジュアリー、かつてのトレンディ。
結構中は広く、席数が多い。レストラン並みだ。
店内音楽も、何というか展覧会で流れているようなクラシックともヒーリングともつかないインストで、この手の古い喫茶店では大体掛かっているイメージだが、これは何というジャンルなのだろうか。
メニューが滅茶苦茶豊富で、果たしてマスター1人でこなせるのかと不安になる。そもそも店内の広さ自体1人のキャパではない。
おそらく昔は昼時ともなると西山公園の観光客やランチのサラリーマンでごった返し、給仕等も雇っていたのだろうと推測される。
活気に溢れた店もそれはそれで良いが、ピークを過ぎ、自分のペースで高齢のオーナーが切り盛りする店もそれはそれで良い。そういう店でコーヒーを飲みながら在りし日の想像をするのが好きだ。
でも忙しそうじゃなかったら普通に直接聞くけどね。歴史のある店は昔話が面白い事が多いです。
時間:8:00〜21:00日曜定休