セクシー三昧

インターネットが掬いきれないお店の記録

立呑み処 優(大阪・寝屋川)

大阪府は数多もの鉄道が走っているので、鉄道沿線によって文化圏が異なる。阪急沿線で生きてきた僕にとって京阪沿線はもっとも遠い文化圏の一つである。

寝屋川市大阪府の中央部から東に位置しており、淀川以南の土地である。20年以上住んでいるにもかかわらず一度も足を踏み入れていない土地だ。そこに訪れるきっかけが、一本のバスだ。地元のJR茨木駅から京阪バスで寝屋川まで一本で行けることを知った。しかも片道260円。それなりの距離を走るのにこの値段は行くしかない。そして行ってよかった寝屋川市

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寝屋川市は綺麗に区画整備された街だが、立ち飲み屋がたくさん存在する街でもあった。少し歩けば立ち飲み屋に出くわす夢のような街。今日紹介するのがそのうちの一軒、「立呑み処 優」だ。

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来店したのは土曜の夕方16時半頃。店内は広くゆったりとカウンターに陣取ることができる。カウンターの奥にはなぜか公衆電話がある。

メニューの中に「ハムエッグ」を発見。これは注文するしかない。これは個人的な感想だが、ハムエッグを置く立ち飲み屋はまず間違いない。店主らしき男性が厨房の女性に注文を伝える。夫婦で経営だろうか。

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まずはハイボールが届く。なんと氷はセルフスタイル。はじめてのパターンだ。自分好みに調整できるサービス精神。これはますます期待だ。

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そして見よ!このハムエッグ!卵とハムだけのシンプルなもの。しかしながら卵を2個も使い、店主が味付けの相談に乗ってくれる。「ハムエッグを見ると立ち飲み屋がわかる」瞬間だ。この店の居心地の良さは保証された。そう、立呑み処 優は居心地がいい。広い店内はもちろん、皆静かに飲んでいる。そしてさりげないサービスがありがたい。僕の好きなタイプの立ち飲み屋だ。

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さりげないサービス精神は続く。粕汁には、鮭の小骨用の小皿を添えてくれる。そしてこの粕汁の優しいこと。

注文が落ち着くと料理をしていた奥さんが常連のおっちゃんと話す。東日本大地震の話をぽつりぽつりと。その語りの穏やかさと静謐さがこの店を包み込む。

店名の「優」の名を体現したような、さりげないサービスが嬉しい店。この店のために僕はまた京阪バスに乗って寝屋川に行くだろう。

(店舗情報)

「立呑み処 優」

大阪府寝屋川市早子町21-6

京阪電鉄寝屋川市駅より徒歩5分

16:30〜22:00(日曜休)