どうして変わり種のおでんを食べたくなるのだろう
「冬といえば?」という問いかけに、「おでん」という答えはよくある答えだと言えるだろう。おでんが店に並ぶと俄然冬だなという気持ちになるし、ついつい注文してしまう。
大根に卵にこんにゃく、じゃがいもに牛すじなんかも良い。冬の間は毎日おでんでもいいくらいだ。それくらいおでんは飽きない食べ物だというのは何も、僕だけではないだろう。なので、色んな店がおでんには並々ならぬこだわりがあるに違いないことは想像できる。
そんな中で生み出されるのが、「変わり種おでん」だ。様々な店が研究と試行錯誤の末に生み出される「変わり種おでん」はこだわりの極地であるといえよう。
有名なところでは、例えば京都の「だるまときんぎょ」のトマトやアボカドのおでん、大阪福島の「花くじら」のチーズロールキャベツやUFO(練り物)などがある。おそらく挙げだすと枚挙にいとまがないので、最近食べた「変わり種おでん」を紹介したいと思う。
僕が「変わり種おでん」に想いを馳せるようになったのは、高槻の居酒屋「とん平」で食べたおでんだ。
高槻の城北通の一角にある「とん平」は店構えからして落ち着くこと間違いなしだ。そしてこの店で出会った「変わり種おでん」は、店の名前からも想像できるかもしれないが、なんと「とん平焼き」なのだ(店のメニューでは「とん平巻き」と表記されている)
とん平焼きは大阪ではメジャーな、たこ焼き、お好み焼きと並ぶソース系の料理だ。これをおでんにするとこうなる。
ソースの代わりに出汁に浸され、揚げ玉とネギの薬味がついてくる。一口含むと卵の甘さと、豚肉の旨味がおでんの出汁と合う!これは「明石焼き」の原理と近いのだが、豚肉が入っている分、旨味がまったく別物だ。
とん平焼きのおでん、見かけた際は是非食べてみてほしい。
ちなみに大阪にはたこ焼きのおでんも存在する。
大阪駅の高架下に店を構える立ち飲み屋「大阪屋」でそれは食べることができる。これもハイボールとめちゃくちゃ合う一品なので試してほしい。
京都で変わり種おでんを食べようと思えば「おでんKELP」がある。「春菊ととろろ」「ネギ塩牛すじ」といった変わり種は店構えも相まってオシャレだ。
そのほかにも、まだ教えたくない秘密のおでんもある。
もしかすると、これを読んでいる人の中にも、秘密のおでんを抱えている人がいるのではないだろうか?そう思わせるほどおでんの世界は広く、それぞれの心の中に心のおでんがあるのではないだろうか。
そういう話をしながら、おでんをつつき合うのも、冬の楽しみなのかもしれない。
(店舗情報)
とん平
17:00〜22:00
日曜祝日定休
大阪屋
7:00〜23:30
年中無休
おでんKELP
17:00〜23:00
火曜定休