セクシー三昧

インターネットが掬いきれないお店の記録

純喫茶を巡る(越前市-敦賀市間)

00年代以降の小洒落たスローライフを提言するカフェもそれはそれで俺は好きですが、平成に取り残されたような痺れる外観の喫茶店が好きです。

今回は越前市からしおかぜラインを通って敦賀市に向かい、その間にある喫茶店に寄りました。

"軽食・喫茶 翌檜(あすなろ)"

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始めに紹介するこの山小屋みたいな風貌の店は、交通量はそこそこあるけどスピードが出せるもんだから簡単に通り過ぎてしまう道路の傍にある急な坂道を登った先の一際小高い丘の上に建っていました。説明が下手で申し訳ない。

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山を背にして海を見下ろす立地にありますが、(こういう事は書くべきではないが)同じく越前市にある海が見渡せて意識高い系のcafe Mareと比べて全く話題にはなっていない。

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そもそもプロデューサーが居て独自メニュー開発や大人数で取り仕切るMareと、店主1人で常連達へ粛々と珈琲を提供する喫茶店を同じ土俵で考えてはならない。

俺はこういう平成初期の内装も静かな雰囲気も絵画みたいな海側の窓も、この店を構成する様々が好きです。

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もうすぐ29年経つそうです。

(営業時間 10:00〜17:00 木曜定休)

 

 

"喫茶 あん"

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名前はシンプル過ぎるぐらいシンプル。この名前の時点で行きたくなる。

そして外観も良い。昔の不二家のショップみたいだ。

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丸い窓、丸い入口、小さな暖色の角灯、平べったいオレンジ色の屋根、統一感に欠ける植え込み。昭和と平成を繋ぐかのような時の痕跡を残す店構えは(自分にとっては)強い有引力を発し、多分他の観光客にとっては「トイレはMare着くまで我慢しよっか」という風になる事が容易に想像出来る。

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内装も素晴らしい。カウンター式の席とテーブル席があり、何となくカラオケスナック風の作りだなと感じた。

店主が常連と話し込んでいて詳しい話が聞けなかったのは残念だが、帰りにお茶菓子を一つ持たせてくれて、些細な事なんだけど気の利かせ方が熟練のソレで、やはり令和の今の今まで残る店というのは何かに秀でているのだと思う。