西成区の夜は何も無い
仕事終わりに酒が飲みたくなり、飲み屋へ向かった。
福井から普通電車を乗り継いで3時間半かけて大阪の西成区に辿り着く。
3時間半掛かる電車旅のストレスは想定以上に強く、西成の新今宮駅に着いた頃にはもう夜の11時頃だった。特に米原駅〜大阪駅の乗車率が高く、椅子に座れず1時間近く立ちんぼだったのは辛かった。
ちなみに宿は楽天トラベルで当日予約。なんて便利な世の中だろう。新今宮駅から徒歩2分の立地で2500円くらい。凄い世の中になったなと思ってたら23時で施錠されるからそうなるとチェックインも出来ない、早く来いと電話が掛かってきた。ダッシュで施錠ギリギリに着く。便利なのか不便なのか。
着いた途端目の前でエグめの交通事故に遭遇する。あぁ、大阪に来たんだなぁと妙に実感した。
俺はかなりミーハーな人間で、普通にYouTubeの広告に出てた食い物とかを平気で買ったりする男なので最近出来たYouTuberの飲み屋(西成レディゴー)へ向かったらなんと営業時間外だった。22時に仕舞うらしい。22時閉店の飲み屋なんて福井でもなかなか見ないのでかなり驚愕だったが、この後に見かける店も意外とテッペンを跨がない飲み屋が多くて大阪=夜の街というイメージが崩れる事になる。
ちなみに9月中にレディゴーのYouTuberと会えるイベントがあるらしくて俺はそのYouTuber(ジョーブログのジョー君)にお熱だから絶対に会いたい。本当に俺は一般消費者のマインドを持っている。
レディゴーが閉まっていて残念だったけど他に店なんて山ほどあるからと思い彷徨いていると見事にシャッターだらけ。点々と開いている韓国系のカラオケスナックに入り話を聞くと、この辺りは23時で仕舞うしカラオケも23時以降は禁止なのだそうだ。そういう条例みたいなものがあるらしい。
あまりに都会過ぎるとこういうルールが増えてかえって健全な営業体制の店が多くなるんだなぁと感じた。
取り敢えずカラオケスナックを出て朝5時まで開いてる八福神へ。
ここもジョーブログで取り上げられていて、店に入った時に「ジョー君が座った席だ」と目がハートになった。俺はキモいハイプのオカマ。
取り敢えずビールと唐揚げ、その後に鳥のユッケを食べた。この手の店で生の鳥を食べるのはかなり勇気が必要だが、俺はジョー君を信じているから。
値段的には西成の中では普通、でも福井の飲み屋と比べるとチェーン店なのかここは?と思っただろう。ちゃんと料理も美味かったし腹も壊さなかった。この店は意外にもPayPayが使えて驚いた。
八福神を出て何か無いかと彷徨うとかなり風貌の良い店を見つけた。
しかし乗車率120%ぐらいの集客で一ミリも入れない。この時間に開いてるというだけでもかなりの集客要素になるだろう。一見隣も趣のある外観の飲み屋だったが写真禁止につき撮れなかった。
彷徨く間にアーケード街へ吸い込まれていた。見ての通りシャッターが目立つが、一軒だけ営業中のBARを見つけた。入ってみると女性2人が営む接客込みのBARのようで、客は俺ともう1人だけ。ここが店子に酒を飲ませて喋るタイプの店で、そういうの求めてわざわざ大阪まで来たわけじゃないんだよな〜。店に居た常連の客が今ニートしてる人で、「あいつに気に入られると酒奢ってもらえるよ」と耳打ちしてきてニートの財布から出させるような営業すな、限界の店やなと思う。その後に来た別の常連もそのニートにたかっていてキツい。20代くらいの男の子の客が下手すると親子くらい離れてるだろと思う店子に抱き着いて乳触ってて嫌なもの見ちゃったなと思った。マジで嫌気が差して会計したら西成料金とかじゃなく普通にBAR料金で、余計に損した気持ちになった。
もういい、ホテル帰って寝ようと思ったら店子に同伴でカラオケ出来る店行こうと言われて、そこは結構面白い店だとハードルを上げてきたから乗っかる事にしてみた。
結論から言うと普通にフィリピン系のカラオケバーだった。唯一、八福神のマスターが仕事終えて遊びに来て永遠にダーツをやっていた事が印象に残った。ここも普通にBAR料金でこの時点で俺わざわざ大阪まで飲みに来て何してんやろという気持ちになる。
翌朝
ガンガンに二日酔いで最悪の寝起きだったが取り敢えず朝からやってる鉄板焼き屋だけは外せないからそこだけはもう行こうと死に体のまま店に向かう。
朝からこういう油っこい店が満席なのが流石大阪だと思う。
店のおばちゃんが大量のホルモンを朝から焼く。肉を焼く良い香りが充満する。
値段はみんなバカに安い。こういう店がいくつもあるから大阪は凄い。どうやって成り立ってるんだろう。
レバーとホルモン、生ビールを頼む。寝起きの乾いた喉にビールを一口流し込み、ニンニクと一味を投入したホルモンを食べる。この瞬間、俺は完全に"整った"。
そうだ、俺はこういうのを求めて大阪に来たんだ。昨日のカスみたいなBARやカラオケスナック、長過ぎる電車旅、すぐ充電が死ぬカスiphoneのカス充電を求めて彷徨うストレスがついぞ報われた気がした。
次、大阪来る時は仕事終わりじゃなくて絶対に日中にしようと強く思った。
ちなみに帰り道は行きの電車旅のストレスを考慮して高速バスを予約したが、隣に知らないおじさんが座ったまま4時間拘束されるのが電車以上のストレスで、"距離"っていつになったら人類は克服出来るんだろうと、そう思わずにはいられなかった。