セクシー三昧

インターネットが掬いきれないお店の記録

コーヒー・お食事 オープン(京都 五条)

オシャレなカフェでもなく、レトロで格式の高い純喫茶でもなく、近所のサラリーマンが昼食に訪れるような、肩の力が抜けたような喫茶店は妙に落ち着く。それはたぶん、細かいルールないからだと思う。過ごしたいように過ごせる、サラリーマンの端くれの一人として、こういう店があることがどれだけ嬉しいだろうか。 今回紹介する「オープン」という店がまさしくそうだ。場所は京都の五条通に面した場所。周りはオフィスビルに囲まれたところだ。 f:id:gtr7u6ik:20210109211758j:plain 時間は13時前。店内はお昼休みのサラリーマンで溢れている。漂う紫煙。そうか、ここは喫煙可なのだ。それがいい、それでいいのだ。「いらっしゃい」と迎えてくれたのは年配の女性と、キッチンを一人で切り盛りするベテランのシェフ。この雰囲気は俄然期待が高まる。 実は店に入る瞬間から頼むものは決めていた。外に掲示されたメニューの「和風カレー」だ。先に着くなりそれを注文するが、まさかの「カレーに乗せるフライが切らしてて…」との声。しかし次には「フライが別のものでよければ…」と言われたので迷わずそれでお願いする。 そして出てきたのがこのカレー。 f:id:gtr7u6ik:20210109212350j:plain f:id:gtr7u6ik:20210109213428j:plain ご飯の上に薄焼き卵を乗せ、その上には白身魚のフライ。そして何より特徴的なのは、カレーのルーのこのとろみ。和風カレーということであんかけ風なのである。しかしよく見るとあんかけの中にスパイスが浮かび上がっており、これが食欲を誘う。 これを見て、ピンときた人もいるのではないだろうか。そう、京都の名物、篠田屋の皿盛によく似ているのだ。 f:id:gtr7u6ik:20210109212649j:plain 篠田屋の皿盛りもご飯とフライの上にあんかけのカレーがかかっている。まさか、篠田屋以外で皿盛り的なカレーに出会うとは思っていなかった。 「オープン」の和風カレーも絶品である。ルーのとろみがスパイスをまろやかに包み、さらに薄焼き卵の旨味があとから引き立ってくる。そしてフライのカラッと上がったこの感じがなんとも楽しい。 夢中になって食べ終えるとホットコーヒーが提供されてほっと一息。この、気取っていない喫茶店の雰囲気はとても貴重だ。 f:id:gtr7u6ik:20210109213102j:plain 全て込み込みで1000円。 なんと贅沢な時間だろうか。 ちなみに「京都 オープン」で調べると、新店舗の情報ばかりサジェストされるのでこの店はインターネットの海に揉まれることなく存続しているのがまたいい。 こういうお店にいつまでも残って欲しいなと思う。