豆蔵
近年開発が進む福井市森田地区。
何処へでもアクセスの容易な地区なので急速に住宅地が増え、ベッドタウン化している。
紹介する豆蔵は、歩いていても何も期待を感じさせない住宅地を進むと現れる老舗の喫茶店だ。
独特の形状の本館と、明らかに増設の別館。奇妙な見た目。実は昔はモントリオールという名前のチェーン店であり、23年前に独り立ちした。よってこの形状(別館はここだけ)の建物が福井県内の至る所で見られ、ギリ90年代産まれの人達は「元喫茶店だな」と察する。ちなみに何故か居抜きはみんな美容室になっているそうだ。
1979年創業。これまで紹介した喫茶店の中で最も古い。
中はまるで西部劇か何かのアメリカ映画に登場するような見た目だ。
天井が高く、何となく教会を思わせるのはステンドグラスのせいか。ぼんやりしたセピアの色彩が美しく、まるで思い出の中の喫茶店のような色味をしている。
上の写真は2005年に建てられた別館。老舗の喫茶店というとオーナーが年配者でかつての常連相手に店を開けて細々と営業している事が多いんだけど、ここはまだ二代目オーナーは現役世代でスタッフも雇い朝昼夜営業するほどの繁盛店。コンビニや大手のカフェチェーン店が台頭した時代に別館を作るほどの余裕があるのが凄い。
今回注文したのはブレンドコーヒーで、これが素人の自分でも分かる程香りや味わいに深みがあり美味しかった。元々チェーンを抜けたのも、本部から支給されるロースト豆ではなく自分で焙煎した豆を提供したいと思ったから。(豆は焙煎してから時間が経つと酸化するので美味しさを保てない。)この店は県外者やこの手の純喫茶好きの若者からも人気で、月のGoogleの検索数が3万件もあるとか。やはり人気店にはそれなりの理由がある。
営業時間:7:00〜23:00(水木定休)
(元々定休日が無く30年近く無休で営業していましたが、近年の新型感染症の影響を受けて定休日を設けたそうです。30年無休って凄すぎる。ここに書いても仕方ないが、30年ぶりの休みを是非満喫して下さい。)
