セクシー三昧

インターネットが掬いきれないお店の記録

京都の朝食といえば……

 京都の朝食といえば長らくパンが有名だと言われている。

 しかし、調べてみると京都市が全国で一番パンを食べているという情報は少々昔の情報らしい。総務省統計局の「家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2017年(平成29年)~2019年(令和元年)平均)」によると、金額面では神戸市、数量では大津市が一位という結果になっている。

 ちなみに京都市が一位だったのは、2016~2018の調査中の「他のパン」部門でのものであり、このときのパン全般的なランキングの一位は同じく金額面では神戸市、数量では大津市となっている。

 もちろんパンは美味しい。京都のパンの歴史は古いことも知っている。ところで最近読んだ村山由佳の小説『風よ あらしよ』はアナーキスト伊藤野枝の評伝小説だが、ここで京都の有名パン屋「進々堂」が登場する。どうやら伊藤野枝の夫、大杉栄と創業者が同級生らしい。それを知ってますます京都のパンに興味を持った。しかしここではあえて新しい提案をしたい。「ぶた汁」である。

 紹介するのは「食堂かどや」。「ぶたじる」の看板で有名な定食屋だ。

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営業時間は驚きの6:30~11:00(Googleマップによる)。しかしサイトによっては朝5:30オープンとも、昼14:00までとも情報が錯綜している。

 店内に入ると、常連客たちが朝から酒を酌み交わしている。このとき朝8時。

  

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 メニューから「ぶた汁 小」「めし 小」を注文する。メニュー以外にも作り置きの惣菜がおいてあって食べたいものを自由に選んで取る。やがて運ばれてきたのがこちら。(小)でこのボリュームである。

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 豚汁の具材は豚肉・玉ねぎ・底の方に豆腐が沈んでいる。味付けはかなり塩分濃いめでご飯が進む最高のもの。豚の脂が表面に浮いていて、味噌の旨味と合わさってたまらない。温度もアツアツで、舌を火傷させながら夢中で食べ進めた。

 奥の方では常連客が酒を酌み交わし、手前では僕のような一見や地元の人が静かに朝食を食べている。なので決して居心地は悪くない。

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 店を出ると看板の豚が笑っていることに気付いて僕も笑顔に。

 京都の朝は、パンもいいけど「ぶた汁」もいいなと思った瞬間だった。

 

 

【備考】

https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html

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