スナック織姫
長野県のJR御代田駅前には、小粒ながら飲み屋街が存在する。
控えめなホームとローカルラジオ局を併設する御代田駅は、中軽井沢駅から2駅離れた立地に在する小さな駅。この駅前には先日紹介した喫茶のんのんや古いスナック、焼き鳥屋、飲み屋、ガールズバー、ダーツバー等、意外にも豊富な遊び場が並ぶ。
さて、まず御代田駅を出て右には細い数十メートル程の道路が見える。
今回はその控えめな飲み屋ストリートに店を構えるスナック織姫を紹介する。
寂れた昭和の居酒屋のような外観が知的好奇心を刺激する。ガワが古ければ古い程、中にはどんな世界が広がっているのかと毎回期待する。
美しい。木目調のレトロシックな色彩と、妙に家庭的なオブジェのコントラスト。"店"という非日常空間の中に紛れ込む生活香。"慣れ"が時間と共にトワイスアップされ、この店としての風合いを形成した。何度も書いているがこの感じは開業してすぐの店では出せない感じなんだ。
スナックって何でDAMばかりなんだろう。
壁面にはニューヨークの夕景が写されている。かつての貿易センタービルが見える。のどかな長野のスナックで、いつかのニューヨークに想いを馳せるとは。
スナックは、外から中が窺い知れないのもポイントの一つだと思う。思いの外豪華絢爛なのでその高低差にやられるのかも。
この店は女将が1人で切り盛りしており、正確には忘れてしまったが40年近くやっているようだ。料金はセット料金制で飲み食いして歌って3000円程だった。乾き物以外にも簡単な物なら作ってくれる。
基本的には地元民しか来ないけど、偶に俺のような物好きの若者が来るから面白いと言っていた。跡継ぎは居らず、いつまでもある場所ではないので一つでも多くの店に入りたいと改めて思う。
営業時間:18:00〜24:00(不定休)